新規参入と既存事業者との隔たり

前回は、既存ユーザーと新規ユーザーとの間にある、溝、のようなものについてお話させて頂きました。

これらのことは、身近な場面でもよく起こりえますが、仕事をする上でも勿論起こりえます。例えば、とある業界に新規参入しようとする会社があれば、「この業界もよくわかってないのに」や、ちょっと業界の慣習にそぐわないことがあれば、「きちんと業界のルールを守ってほしい」とかいう話はあるのではないかと思います。

確かに新規参入にあたって、特定のルールを守ることは重要なことになると思いますが、長年同じ業界にいてしまったがために、見えなくなっていることも多くあるのではないかと思います。

例えば、ある商品を作る過程をみた場合に、A、B、C、の手順を経なければならない、ということがあったとします。その場合に、Cから始めることがなぜダメなのか、むしろBだけではダメなのか、ということは普段仕事を進める上では、考えないほうが一見、効率がよいのです。

これは、通常の仕事を進める上でもよくあることだと思います。先輩社員から、こういう手順でやって、と言われたらそのまま進めてしまうのではないでしょうか?

勿論仕事に不慣れなときはそれでよいかもしれませんが、ある程度仕事に慣れて、明らかに効率が悪いやり方だなと思っても、やり方一つ変えるために、先輩社員を説得して、その上司を説得して、さらに上司を説得して、となれば、誰でも現状のやり方のままでいいやと思ってしまうのではないでしょうか?

とある業界、ということを見ても、大きな業界の場合であれば、業界団体というのが存在し、更にその業界自体が長い歴史があれば、関係者も多く、様々な利害関係者がおり、業界全体のルールを変えるということは非常に難しいのではないかと思います。

このような業界に新規参入してルールを無視されると、もともとその業界にいた人の多くは、拒絶反応を見せます。

私の個人的意見だと、これらの反応は、実は羨望に近い感情も含まれているのではないかと思います。

過去それらの人も、ルールをおかしいと思い、変えようと思った人もいるのではないかと思います。それはそうです。新規参入してすぐにおかしなルールに気づいて、ということであれば、その業界に長くいれば、きっと気づいているのです。

ベンチャーとして、新しい業界に参入するのであれば、その業界に昔からいる人、ということを完全に無視することはできないのではないかと思います。勿論敵対的関係で参入したいということであれば別ですが、その業界にいる人ということでれば、将来的な取引先になることも、仕入先になることも、または従業員になることもありえます。

これらのことから、新規参入の場合、一定のルールを無視することがあっても、まず基本的なルールを学び取り、なぜそれではいけないのか、ということを徹底的に理論的に説明できるようになっていることも必要なのではないでしょうか。

次回は、業界内からなぜイノベーションは起きづらいのか、について書きたいと思います。

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